闇ノ雫
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「何でよ、お爺ちゃん!烝君は友達なのに!」
「芳乃、あの子供とはもう関わるな」
そんな会話を背に、俺は小松家を後にした。
もう二度と来ないと決めた。
自分がどれだけ愚かなことをしていたのか、気付いたのだ。
──しかし。
その時、眩しい光が、後ろから射し込んできた。
それはまるで、俺まで包み込みそうだった。
それを疑問に思い、ふと振り返ると、芳乃の家全体が眩しい光に包まれていた。
目が眩み、思わず手で影を作る。
その光は、芳乃も、家も、その周りにある木々も……全てを呑み込んでいく勢いだった。
暫く経つと、次第に光は消え失せていった。
そして手を離した俺は、さっきとまるで違う光景に、自らの目を疑う。
「芳乃……?」