闇ノ雫
……だが。
“小松家……?そんな流派は存在しない”
そして何度も、地面に膝をついて、目元を拭って。
大声で
情けないくらい
泣いた
どの時代であっても、“男は泣くな”と言うだろう。
“男らしくあれ、男は強いものだから”と言うだろう。
……だが、俺は。
この感情を、大声で泣きわめくことでしか、表現出来なかった。
会いたくて会いたくて、仕方がなくて。
それなのに、芳乃は現れない……。
あの笑顔をまた見たいのに、見れない。
“芳乃が消えた”
そんな現実を、受け止めたくなくて。