闇ノ雫




……だが。





“小松家……?そんな流派は存在しない”





そして何度も、地面に膝をついて、目元を拭って。





大声で


情けないくらい


泣いた





どの時代であっても、“男は泣くな”と言うだろう。


“男らしくあれ、男は強いものだから”と言うだろう。





……だが、俺は。


この感情を、大声で泣きわめくことでしか、表現出来なかった。





会いたくて会いたくて、仕方がなくて。


それなのに、芳乃は現れない……。


あの笑顔をまた見たいのに、見れない。





“芳乃が消えた”





そんな現実を、受け止めたくなくて。





< 22 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop