闇ノ雫
……だから、いつか必ずあいつに会えるはずだ。
だったら俺は
芳乃を守れるのなら
どんなに手が汚れても構わない。
日本一を目的とするのではなく、芳乃を守ることが目的となるのなら、俺は、例え人を殺しても構わない。
芳乃が消えた前日の夜。
満月は煌々と光を放っていた。
あぁ、そうだ。俺は。
満月の次の日、少し欠けていたとしても、芳乃と一緒に見たくて、あの日も芳乃の家に行ったんだ。
だが、その日は。
俺にとって、悲しくて辛すぎる日になった──。