闇ノ雫
閉じ込めた想い
──
───
────
「小松家は、まだ存在していたのか」
土蔵に戻ると、俺は唐突にそのような質問をしてしまった。
やはり気になったのだ。
小松家は、俺の両親に倒されてもなお、陰では鍛え続けていたのか、と。
「え……?」
だが芳乃は、戸惑いの色を表情に現す。
すぐに、俺は首を振った。
「……いや、何でもない。今のは忘れろ」
──芳乃。
何故、そんなに悲しそうな顔をしている?
何故泣きそうになっている?
お前は……何を、その小さな体に抱えている?
俺は、如何なる理由であったとしても、お前を受け止める。
だから……
「どこから来たのか、ちゃんと答えてみろ。証拠次第では信じる」