闇ノ雫
何度か咳をした後、今度は両手で俺の腕にすがりつく。
「早く行って下さい!それから……このことは、誰にも言わないように……げほっ…」
そこまで言うと、沖田さんの腕はだらんと床に落ち、がくっと頭を下に向けた。
「おねが……しま…」
そんな沖田さんの肩をしっかりと掴み、壁によりかからせる。
「……分かった。だからもう喋らなくていい」
そう言うと、沖田さんは安堵したようだった。
「すぐ戻るから待ってろ」
俺はサッと地面を蹴り、小松の姿を探し始めた。