闇ノ雫
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小松が気を失ってから、三日目の朝。
いつ小松が起きてもいいように、粥を用意したりしていた。
だが、一向に目を覚ます気配はない。
人が目の前で死んだのが、よっぽど衝撃的だったのだろう。
小松の前で殺すべきではなかった。
しかし打つ手はあれしかなかったのだ。
小松を守るためには──。
あのような行動を起こさなければ、小松は確実に殺られていたのだから。
そんなことを考えながら、俺はいつの間にか……小松の側で寝ていた。
「山崎……?」
そして、どれだけの時間が経ったのだろうか。
小さな声が聞こえ、ゆっくりと視界に光が入る。
そこには、目をさ迷わせている小松の姿があった。
「小松、起きたのか……?」
「……うん」
その返事を聞いた途端、俺の中には、安堵した気持ちと、ほんの少し怒りのような気持ちと……様々な思いが混じっていった。
いつの間にか、体が勝手に、小松を抱きしめていた。