闇ノ雫


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父上達が向かっていたのは、とある家であった。


そこの家の表札に書いてある、“小松”という文字。


その門を越えていく父上達を、俺は木陰からじっと見つめていた。




“日本一になる為に小松家を倒す”




確かに、山崎家の忍が日本一になるのは、凄いことだ。


──だけど、小松家を倒す、という意味はどういう事なのだろう。


これから何が起こるのだろう?


疑問に思いながら空を見上げると、広がっている無数の星。


そして、輝いている三日月……。


手を伸ばせば、すぐにでも掴めそうだ。


視線を元に戻すと、父上達はもう、完全に中に入っていた。


俺も、こそこそと門に近付いていく。




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