闇ノ雫
あの時みたいに、また小松が変な気を起こせば困る……。
「私……あの時何か仕出かしたの?」
「知らん。忘れた。どうでもいい」
それからも、色々としつこく話しかけてきた小松だったが、ふと今食べた団子に話を移した。
どうやらこれ、小松が作ったらしい。
「美味しい」と素直に言うと、小松はほんのりと頬を染め、はにかんでいた。
思わず、抱きしめそうな衝動に駆られる。
……小松への想いをまた一からやり直したはずなのに。
それでも、そんな気持ちは零れんばかりに俺の心の中で溢れていた。
いつもの如く、アホなんて言葉が出てしまうのは、そんな自分の気の乱れを抑える為なのだろう──。