闇ノ雫
酒を飲んだせいで、少し頭がぼーっとする。
風に当たりに外へ出ると、そこにはもう先客がいた。
「……山崎?」
「少し、酔いを冷ましにきた」
自然な形で小松の隣に並ぶと、夜空を見上げる。
瞬く星々が、俺達を照らしていた。
ぽつりぽつり、輝く星はまるで命のよう。
あんな小さな星は、一体どれだけの時間、光を放っていられるのだろう。
そんな星空の下、小松はその言葉を放ったのだ。
「山崎が、好きです……」
──それは。
敵同士である俺達には、禁忌なる言葉。
小松に言われたら、どんなに嬉しいだろう。
……こんなに、嬉しい物だとは思わなかった。
「わ、私……山崎に、たくさん助けてもらって本当に感謝してるの!本当に……たくさん、励ましてもらったし元気ももらったし、私嬉しかった」