変わり者同盟
第1章
弱虫な私
びゅんびゅんと北風が吹く中。
私は黄色のマフラーに顔の下半分をうずめつつ、学校へと歩いていた。
「あ!冬香(フユカ)おっはよー」
学校が見えてきたところで、後ろから明るく声をかけられた。
私は、ぎゅっと拳を握り締め、振り向く。
「・・・おはよう、すももちゃん、美沙(ミサ)ちゃん、菜子(ナコ)ちゃん。」
ぎこちない笑みを浮かべて言った私に、真ん中に立っていたすももちゃんが眉をひそめた。
「ちょっと冬香、何馴れ馴れしくあたしの名前呼んでんの?
すもも“様”でしょうが。」
『様』を強調して言ったすももちゃんに、私の心臓がきゅっと音を立てた。
また、だ。
また私は“イジられる”んだ。
「ごめん・・・なさい。すもも・・・様・・・。」
微かに笑顔を浮かべて言えば、すももちゃんは満足そうに微笑んだ。
ちょっと皮肉だね。元から可愛い顔が、更に可愛くなるんだもん。
「冬香、じゃ、私達の鞄、教室まで運んでってよ。」
菜子ちゃんが愉しそうに笑って、私に鞄を放る。
慌てて菜子ちゃんのスクールバックを両手で持った私は、目を見開いた。
お、重いっ・・・!!!
菜子ちゃんは私の様子を見て、面白そうにせせら笑った。
「重いでしょ、私の鞄。
冬香持ってくれるだろうから、辞書2冊入れてきたんだもんね♪」
「!!!」
私は、思わず菜子ちゃんから目を逸らした。
私は黄色のマフラーに顔の下半分をうずめつつ、学校へと歩いていた。
「あ!冬香(フユカ)おっはよー」
学校が見えてきたところで、後ろから明るく声をかけられた。
私は、ぎゅっと拳を握り締め、振り向く。
「・・・おはよう、すももちゃん、美沙(ミサ)ちゃん、菜子(ナコ)ちゃん。」
ぎこちない笑みを浮かべて言った私に、真ん中に立っていたすももちゃんが眉をひそめた。
「ちょっと冬香、何馴れ馴れしくあたしの名前呼んでんの?
すもも“様”でしょうが。」
『様』を強調して言ったすももちゃんに、私の心臓がきゅっと音を立てた。
また、だ。
また私は“イジられる”んだ。
「ごめん・・・なさい。すもも・・・様・・・。」
微かに笑顔を浮かべて言えば、すももちゃんは満足そうに微笑んだ。
ちょっと皮肉だね。元から可愛い顔が、更に可愛くなるんだもん。
「冬香、じゃ、私達の鞄、教室まで運んでってよ。」
菜子ちゃんが愉しそうに笑って、私に鞄を放る。
慌てて菜子ちゃんのスクールバックを両手で持った私は、目を見開いた。
お、重いっ・・・!!!
菜子ちゃんは私の様子を見て、面白そうにせせら笑った。
「重いでしょ、私の鞄。
冬香持ってくれるだろうから、辞書2冊入れてきたんだもんね♪」
「!!!」
私は、思わず菜子ちゃんから目を逸らした。
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