変わり者同盟

叶わぬ思い*すももside*

―すももside―




久流君を好きになったのは、中学1年の体育祭のとき。


ほとんどの人は知らないと思うけど、あたしと久流君は同じ中学出身。

ちなみに、菜子と美沙も同じ中学だった。


あの頃も、あたし達3人は、仲がよかった。

クラスは違ったけど、同じ美術部で、いつも楽しく部活をしてた。


だから。

2人はあたしの長くて長くて全く進展がないくせに、どんどんどんどんあたしだけ好きになっていく・・・

救いようの無いあたしの恋について、よーく知ってた。




――・・・思い出すのは・・・・・・

白いハチマキと、彼の手の温もり。



あたしは体育祭のとき、クラス対抗のリレーの女子のアンカーだった。


でも、途中ですっころんじゃって、1位か2位かを争ってたのに、まさかの5位。

ビリから1つ上ってだけになってしまった。


膝小僧はすりむけて、赤い血が滲んでいたけれど、それより何より痛かったのは、クラス中からの冷たい視線。

『あー、マジないんだけどぉ~』

『普通あそこで転ぶ?』


当時から人より少し顔が整ってたあたしは、一歩間違えればすぐにいじめの対象となった。

ひやりとしたのを、今でも覚えてる。

人と違う、ということは、何かと疎外対象になりやすいんだ。
その違い、が、良いものでも悪いものでも。

顔がいいなんてのは特に、妬みをかいやすい。
だからこそあたしはいつも注意してたんだけど・・・


不覚だった、と、自分に舌打ちしたくなった。

悲しくて悔しくて惨めで苦しくてっ・・・・・・ふと泣きたくなったのを、ぐっと歯を食いしばってこらえていた。



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