変わり者同盟

「久流君を困らせるかもしれないし、自分でも馬鹿だと思う。

でも、伝えなきゃ、私は前に進めないと思うんだ。

私は、伝えたいんだ。」


私はたぶん、クロが聞いていようが聞いていなかろうが、関係ないんだと思う。


自分の思いを、ちゃんと言葉にしたかったんだと思う。

気持ち、しっかり決めるために。
勇気、出すために。


「クロ、ごめんね？食事中、うるさくしちゃって。」

「かぁ」


私の言葉にひとつそう返し、クロはまたお弁当をむさぼり始める。

私のお弁当を平らげると、クロはどこかへと行ってしまった。


「・・・・・・・・・お昼、無し、かぁ。」

食欲ないからいいんだけど・・・クロ、遠慮なかったなぁ。


「お腹すいてたのかな？」

首を傾げたときだった。


「比佐乃、ごめん、遅れた。」

久流君が、やってきたのは。


鼓動のスピードが、更に速くなる。

落ち着け・・・落ち着け、私・・・。
すぅーはぁーと、深呼吸をしていると、久流君が首を傾げた。


「なんで深呼吸？」

「・・・・・・・・・き、気にしないでっ!!!」

「？うん。」

久流君が首をかしげながらも頷いてくれたことにホッとしていると。


「・・・・・・比佐乃。」

不意に、久流君が真剣さをおびた声音で、私を呼んだ。

そして、静かな声で告げる。


「俺、宮部に告白された。」