変わり者同盟
あわあわと言った彼女に、俺は強い口調で言った。

だって、俺、けっこう嬉しかった。




『へ・・・。元気、出ました、か?

え、うわぁ・・・よ、良かったぁ・・・・・・。』


彼女が、ふにゃりと微笑んだ。




――ドキッ


今、初めて見せてくれた彼女の微笑みに、俺の鼓動が速くなる。



って、なんでだよ!?

俺、病気なのか!?いきなり!?




内心うろたえてる俺に気付かずに、彼女はしゃがんで、足元の黒猫に笑いかける。


『この人は怖くないよ。優しい人だよ。
大丈夫だよ。』

『にゃー』

『ふふふ』



―――ずっと見ていたいと思った。


彼女の笑顔を、ずっと見ていたいと。








―――――――・・・そしてそれは、今でも変わらない。




「和真君!」


ゴミ捨て場にぼんやりと立っていれば、冬香が駆けて来た。





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