変わり者同盟
菜子ちゃんの、馬鹿にしたような笑顔が、すごく、辛い。


「やぁーだ!菜子ったら意地悪~」

「それほどでもぉ~」

「褒めてないわよ。」


すももちゃんが菜子ちゃんに、おどけたように言い、照れた菜子ちゃんに美沙ちゃんがツッコミをいれた。


クラスの中心的存在の、仲良し3人組。


ふわふわのおへそまである髪の、可愛いすももちゃん。

さらさらの肩より上ぐらいまでの髪の、明るい菜子ちゃん。

つやつやの、胸元まである髪の、冷静な美沙ちゃん。


そして・・・

そんな3人の“イジられ役”の私。


高校入学時、地味で目立たなくて面白みの無い私は、クラスで孤立してしまった。

そんな私を、この3人がグループに入れてくれたんだけど・・・


なんだか、意地悪されてばっかりいる気がする。


仲間に入れてくれたのだから、我がままは言っちゃ駄目だと思う。

けど、この3人といると、なんか、苦しい。



「はい、冬香!あたしのもよろしくね!」

「あたしのもね。」


すももちゃんの言葉に、美沙ちゃんも乗っかり、ほぼ同時に鞄が放られる。

なんとか2人の鞄もキャッチし、私は合計4つの鞄を持った状態になった。


「じゃ、冬香、よろしくね!」

菜子ちゃんが明るくいい、3人はさっさと先に学校へと向かっていってしまった。


「・・・・・・はぁ・・・。」

思わずため息をついた。


入れてもらったとはいえ、嫌だとも言えない自分が、情けない。



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