変わり者同盟
真剣な視線。真剣な瞳。真剣な声。

久流君は言葉を切ると、ふっと目じりを垂らした。
柔らかい微笑。

「だって俺ら、変わり者同盟結んだだろ?」


「な!」と、言った後、今度は私の頭をぐりぐり撫で回した。

か、髪の毛ぐしゃぐしゃ・・・!!!
呆然と、肩より少し上ぐらいの黒髪を指ですく。


そんな私を見て、久流君は一言。

「俺が撫で回した後の方が、芸術的だったと思うけど。」


・・・・・・芸術って・・・
久流君って、やっぱり変わってる・・・。

しみじみと思った私の耳に、キーンコーンカーンコーンという、チャイムの音が聞こえた。


って、え!?
遅刻になっちゃうんじゃない!?


慌てた私の耳に次に聞こえてきたのは、久流君ののんびりした声。

「あ、遅刻だな。そろそろ教室戻るか~。」

久流君はそう言い、ゆっくりとのびをした。


・・・・・・久流君?

「あの、その、急がなくていいんですか?」

「どうせもう、遅刻だし。それにココ、けっこう校舎と近いんだよ。」


まぁ、確かにもう遅刻は確定だけど・・・ココって校舎と近いんだ?

でも私、ココに一度も来たことなかったんだけどな。


ハテナマークを浮かべる私に、久流君が「あ、そうか。」と、声を上げた。

「俺、比佐乃に話してなかったな、ココのこと。
じゃあ・・・校舎まで歩きながら話すから。比佐乃、行こう。」

「え、あ、はい!!!」


歩き出した久流君の後ろに私は付く。

久流君は後ろの私に、説明してくれた。





―――“本当の裏庭”について。




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