変わり者同盟
変わり者同盟、が結べたから。

久流君の優しさに触れることができたから。


でも、なんで大切な場所に私を連れて行ってくれたのかは、未だに分からない。

聞こうとした時には、教室の前だったんだ。

休み時間ではあったけど・・・私はすももちゃん達に強制連行されちゃったから、聞けなかった。


『冬香!久流君と遅刻してくるって・・・一体どういうこと!?』

な、なんて言おう・・・と口をパクパクしていたところ、今度は担任の、小野(オノ)先生に呼ばれた。


『おーい、比佐乃、お前もこっち来い。遅刻しただろー!』

ひえぇぇぇ・・・。


岩元先生は30代の男の先生。大雑把で大らか。でも、怒ると怖い。


でも、怒られるかと思いきや、注意を受けただけ。

『いーか!イチャイチャすんのはいいけど、ちゃんと時間は守れ!以上!!!』


・・・というか、誤解されてたんだよね。

慌てて違います、と反論しようと口を開くも『了解ですー』との久流君の声が邪魔をした。


え!?と久流君を見れば・・・半分瞼が落っこちていた・・・。
つまりいうと、半分寝てたんだと思う。


そう理解した時にはすでに岩元先生は、さっさと一時間目のクラスへ行ってしまっていて。

久流君もさっさと自分の席に戻って熟睡し始めた。


・・・・・・・・・小野先生・・・違うんですよ・・・

私は、そう、言いそびれてしまったのだった。



「・・・・・・ハァ・・・」

私はそっとため息を零す。


古文の先生は、雑談大好き。今もなぜか掃除機について熱弁している。

なんで・・・掃除機?

疑問に思いつつも、ため息が聞こえた様子はなかったから、ホッとした。




< 23 / 140 >

この作品をシェア

pagetop