変わり者同盟
そこまで思って、穴があったら入りたくなった。

な、なんて図々しいことを思ってるの私っ・・・!!!



「冬香ー?聞いてる?」


菜子ちゃんが俯いた私の顎をつかみ、力づくで前を向けさせた。

い、痛いっ!

私と目があった菜子ちゃんは、にんまり笑った。


「ごっめーん、冬香!つい、力入れすぎちゃったわぁ~。大丈夫ー?」

全然、すまなそうじゃなくて、むしろ愉しそうな口調で菜子ちゃんは言い、私は小さく呟く。

「大丈夫、だよ・・・。」


薄い笑みと共に発した言葉を聞いた菜子ちゃんは、ケラケラ笑った。

「あははははっ!全然大丈夫そうじゃないー!冬香、弱いなぁ。」

「菜子が馬鹿力なだけでしょ。ごめんね、冬香。」


美沙ちゃんが的確にツッコみ、ちらりと私を見て、あからさまな笑みを浮かべて謝った。


「・・・・・・気にして、ないよ・・・」

私は俯いて答えた。

美沙ちゃんのあからさまな笑みから、見下しているような雰囲気が感じられて、前を向けなかったんだ。


「ねぇ!菜子の馬鹿力よりも久流君のことでしょっ!!!
冬香、なんで久流君と一緒に遅刻してきたのか聞いてるんだけどっ!」

すももちゃんが勢い込んで聞いてきた。


ど、どうしよ・・・。

私は何か言葉にならない声を口の中でもごもご呟きつつ、途方にくれた。


言うっていったって、何を言えば良いのか分からないし・・・。

おこがましいけど、変わり者同盟とかは、秘密にしたい、し・・・。


脳みそをフル回転させたけれど、空回りしているのなんなのか、全く言い案は思いつかない。


うぅっ・・・すももちゃんの視線が痛いよぉ・・・。

頭を抱えて逃走したくなった時――



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