変わり者同盟
せっかく久流君が言ってくれたんだ。ためしてみた方がいいに決まっている。

私はおそるおそる、久流君の左隣に腰を下ろし、次に更におそるおそる仰向けになった。


そして――思わず、目を見開いた。


「わぁ・・・」

感嘆の声が漏れる。


木々の葉と葉の間から差す、優しそうな木漏れ日と、かすかに見える青い空が、すごく、綺麗だったんだ。

下の草は、土との間のクッションの役割を果たしていて、思っていたより寝心地がよかった。


「くくっ・・・比佐乃、また、目が真ん丸になってる・・・。」

久流君の微かな笑い声が、耳元で聞こえてビクッとした。


おそるおそる左を見れば、案の定久流君の顔が近かった。

ひ、ひぇぇぇ・・・。

どうやら思っていたよりも久流君の近くに寝てしまったらしい、と気付くも、時すでに遅し。

今更離れるのも、できないよぉ・・・。

あぁあぁぁ・・・・・・と、心の中で呻いていると、久流君が静かに話し始めた。

「・・・比佐乃。変わり者同盟を結んだ仲のお前に、協力して欲しいことがある。」


私に、協力して欲しいこと?
心の中で呻くのをやめて、首を傾げる。


久流君は私を見つめた。
痛いほど、真っ直ぐで真剣な視線。

「ここ・・・本当の裏庭について、知りたいんだ。
協力、してくれないか?」


視線とは裏腹に淡々とした口調で放たれた言葉に、私は考えるより先に頷いていた。

久流君がそんなに真剣に頼む事なら、力になれないかもしれないけれど・・・協力したいと、思ったから。


久流君は私が頷いたのを見て、笑わずに、コクリと頷き、生真面目に言った。

「ありがとう、比佐乃。」


私も、なぜ知りたいのかとか疑問はありながらも、生真面目に頷き返した。



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