変わり者同盟
第2章
調査開始
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『知りたいから。』
昨日、久流君は“本当の裏庭”を知りたい理由について尋ねたとき、キッパリとそう答えた。
『俺は、たぶん、知る権利があると思うから。』
首を傾げた私に、久流君はさらりと付け加えた。
知る権利――。
どういう、意味だろう。
けど、久流君は、それ以上は教えてくれなかった。
『誰にだって、言いたくないことの一つや二つ、ある。』
久流君が私に言ってくれた言葉が、北風の吹く中登校している私の脳裏に、鮮やかに蘇った。
久流君にも、言いたくないことの一つや二つ、あるの?
その“言いたくないこと”が、“本当の裏庭”について知りたい理由なの?
そう考えたけれど、あまり、ピンとこなかった。
いつだって飄々としている久流君に、“言いたくないこと”があるのが、ちょっと考えられなかったんだ。
――でも。
久流君だって、私と同じ高校1年生だ。そういうことが無いなんて、断言できない。
私は、久流君のこと何も知らないわけだし・・・。
「おはよ。」
考えながら歩いていれば、考えていたまさにその人に挨拶された。
「・・・・・・おはよう、ございます。久流君・・・。」
私は、後ろからやってきて、私の左隣に並んだ久流君の顔を見上げて、挨拶した。
久流君は、制服にPコート、紺色のマフラーをしていた。