変わり者同盟
「あははは!ごっめ~ん!ちょっと力入れすぎちゃったぁ。」

すももちゃんがクスクスと笑いながら可愛らしく言う。


私は、足元に落ちていたノートを拾う。

昨日、歴史のテストがヤバイと言っていた菜子ちゃんに頼まれて貸した、私のノート。


コレが、後頭部に当たってしまったらしい。

でも、なんですももちゃんが・・・・・・


美沙ちゃんが、ふふふと笑いながら、愉しそうに言った。

「やっさしい冬香に、3人でお礼のコメント書いてあげたのよ。」


お礼のコメント?

首を傾げつつノートを開けば、赤くて太いマジックで書かれた文字が飛び込んできた。


《久流君好きー》

《歴史意味不明ー誰だコイツは》

《もうすぐマフラー完成♪》


授業の内容がシャープペンで書かれている上から、でかでかと書かれている言葉達。


・・・・・・・・・なんか、呟かれてる・・・。


しかも、赤くて太い線から文字ができているから、シャープペンで書いた授業の内容が見えない。


絶句している私を、菜子ちゃんが小突く。

「冬香ー?反応しろよ~!うらうら~」


私はそれでハッとして、慌てて薄い笑みを浮かべる。

「あ、あはは~!これ、お礼じゃないでしょぉー!」

へらへら笑いながら、菜子ちゃんを小突き返す。


「いやん!ひっどい冬香ー」

菜子ちゃんがケラケラ笑いながら、学校へと駆けて行った。


「ちょっと菜子!待ちなさいよー」

美沙ちゃんがさっとそれに続く。




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