変わり者同盟
――――私の心がどれほどもやもやしてようが、関係なく時は進む。


もやもやを抱えながら、ぼーっとしていたらあっという間に昼休みになっていた。


どうやら久流君は先に“裏庭”に行ったらしく、教室にはいなかった。

私は、久流君のと自分のお弁当を手に、教室を出ようとした・・・時。


「ふーゆかっ♪どこいくの?」

ニコニコと口元に可愛らしい笑みを貼り付けたすももちゃんに、行く手を遮られた。


手を、薄桃色のハンカチで拭いているから、すももちゃんはどうやら手を洗いに行っていたらしい。


私は思わず口ごもった。

“裏庭”は、秘密だし・・・・・・。


どうしよう、と俯いたら、ぐいっと腕を引かれた。

ビックリして、目を見開いて腕を引いた人の顔を見上げて、唖然としてしまった。


・・・・・・え・・・く、久流君!?

先に行ってたんじゃないの!?と、目を丸くしていれば。


「今日から、俺、昼休みとか比佐乃のこと借りるから。

どこに行くかとか、お前達に言う必要は無いよな?
てことで、じゃーな。」


私と同様・・・いや、それ以上に唖然としているすももちゃんをその場に残し、久流君はスタスタと歩き始めた。

・・・私の腕を、掴んだまま。


「・・・・・・っ/////」

顔に熱が集中するの、ここ数日、多すぎると思う。


私は、馬鹿みたいに熱い顔と、触れられてる腕を気にしないよう努めながら、そっと久流君を見上げた。


端整な顔は、いたって平然としている。

・・・・・・さすが・・・


すももちゃんを驚かせて、私の顔を赤くさせているというのに、かなり平然としてるなんて。



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