変わり者同盟
じっと私を見る久流君の視線が、痛い。
怒ってるっていうか、不機嫌っていうか・・・

久流君がなんで突然そんな態度になったのか、は、なんとなく分かる。

私のこと、礼儀のなってない奴だと思ってるんだよね、きっと。


「・・・・・・クロ。あの、私、比佐乃冬香っていいます。よろしくお願いします。」

私はぺこりとカラス・・・じゃなくて、クロにお辞儀した。


カラスにお辞儀するなんて、人生初。

でも、久流君に無礼者とか思われたくないし。
それに、久流君の大切な人・・・じゃなくて、大切な鳥?なら、きちんと挨拶したい。


そろりと顔を上げれば、久流君がさっきとは打って変わって、温かな視線を私に投げかけてくれた。


「比佐乃、クロもよろしくだってさ。」

「かぁ」


かなりのベストタイミングでクロが鳴いた。

・・・・・本当に、よろしくって言ってるのかも。
不意にそんな思いに駆られた。

いや、ありえないって・・・。
そう打ち消そうとしたけれど、やめた。


きっと、クロもよろしくって言ってくれてる。
クロに話しかけている久流君を見ていると、確かにそんな気がしてきたから。


久流君って、不思議・・・。

常識はずれの考えも、まるで常識のように思えちゃう。



―――好き、だなぁ・・・・・・。

なんだかしみじみと思ってしまった私は、またもや顔を赤くさせる破目になってしまった。


そして久流君は、そんな私にはやっぱり気付かずに、さらりと言った。

「あ、そうだ比佐乃。
クロも一緒に“本当の裏庭”について調べてもらうから。

それで、今から調査開始な。」


・・・・・・・・・えぇ!?クロも!?今から!?

私は目を丸くした。



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