変わり者同盟
考え込んでいると、ばさばさとクロがやってきて、私の背中に回った。


怖いのかな・・・?

なんて思っていられたのも束の間。


「いっ!?」

痛いっ!!!


クロは、足で私の背中を押し始めた。しかも、かなりの力。


「クロぉ~?」

涙目になりつつ、クロを見れば、かなりの鋭い視線が。

そして更に強く、私の背中を足で押す。


・・・・・・・・・背中を押すってことは・・・つまり・・・

「行けって、こと?」

「かぁ」


・・・クロって、人の言葉分かるのかな。すごいベストタイミング。

感心しつつも、私はふるふると首を振った。


「む、無理っ・・・痛いっ!!!」

『無理』と、言い終えたが早いか、クロの背中を押す力は激増。


痛い・・・。

視線も鋭い。なんか、“行けっつってんだよ!意気地なし!!!”って、叱咤されてる気分。

なんて思っている間にも、背中を押す力は弱まるどころか、強くなるばかり。


あー・・・もう!

「分かったよ!行くよ!行くから!!!」


私が自棄(ヤケ)気味に言い、歩き出せば、クロは私の背中を開放してくれた。

もう、こうなったら、なんでもどんと来い・・・!!!


私はヤケクソでそう思いながら、部屋の中に入った。

後ろにはクロが飛んでいて、どうやら戻ってこないかを見張ってるみたい。


部屋には、どっかりとパイプイスに座っている大河内さんと、その前にすっくと立っている久流君がいた。




< 47 / 140 >

この作品をシェア

pagetop