変わり者同盟
他にも久流君の奇行は多々ある。

けど、久流君は成績は学年1位で、スポーツだってできるから、先生達も多少は大目に見てるみたい。

退学や停学にはならないと思う。
久流君、変わり者だけど、真面目に授業受けてるし。



「あぁ・・・。本当、久流君の考えてることって謎なんだよねぇ。

・・・・・・てことで、冬香。」


すももちゃんが、なぜか私にニッコリ微笑んできた。
有無を言わせぬ微笑。

嫌な予感がする。


「久流君と仲良くなって、久流君のことあたしに教えてよ。
ついでに、あたしのこと売り込んどいて。」


えっ・・・。

私は当然、目を見開いた。


「わ、私・・・?」

「そうよ。」


すももちゃんは可愛らしい、けれどどこか凄みの含んだ笑顔を向ける。

私は、それでもおどおどと言い始めた。


「あの、でも、私・・・久流君と話したことないし・・・・・・」

「大丈夫よ、冬香ならできる。」


すももちゃんは、さらりとどうでもよさそうに言い放ち、拒否権なんてないとでも言うように、強い口調で言った。


「やってくれるよね?冬香。」


私は・・・弱虫な私は、頷くことしか、できなかった。

すももちゃんは満足そうに笑い、美沙ちゃんも菜子ちゃんも面白そうに笑った。



・・・・・・・・・あぁ・・・。

私、なんで頷いちゃったの・・・。


すぐに私は、後悔の波に飲みこまれたのだった。




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