変わり者同盟
隠された森の真実
―――――――――――――――――――――――――――――・・・・・・
「ハァ・・・」
美術室の中。
右手に絵筆を持ちつつ、私は何度目か分からないため息を零す。
目の前には、雪が積もった椿が前にある、瓦屋根の家が描かれているキャンパス。
黙々とそれぞれがそれぞれの絵に向かっている最中、私のため息は真剣な空気に飲み込まれ、響く事はなかった。
放課後の部活動。
それは私にとって、学校生活の中で一番と言われるほど安心できる時間。
・・・・・・だから、なのかな・・・。
授業中や休み時間のときよりも鮮やかに、あの、不可解な久流君が脳裏に蘇る。
私の溢れ出た疑問に、何一つ答えてくれなかった久流君。
なんで、なんだろう・・・。
久流君はそんなに意地悪じゃないし、私が不安になるようなことを、進んでやるような人じゃないはずなのに。
・・・・・・もしかして・・・後悔、してるとか?
私のこと“本当の裏庭”に連れてって、変わり者同盟結んだこと、後悔してるとか?
――ドクンッ
心臓が、嫌な音を立てた。
ありえない、わけじゃない。むしろ、ありえる。
話してみたらうざかったとか?気持ち悪かったとか?もう関わりたくないとか?
「・・・・・・っ・・・」
あり、える。
自分がどれほど平凡で、面白みがなくて、地味なのかなんてのは、私が一番よく知ってる。