変わり者同盟
そんな私が、久流君といること自体が、どれほどありえないことなのか、も。
分かってるつもり。


不釣合い。不似合い。

私と久流君には、そんな言葉が何よりもお似合いなんだってことも、分かってる。


・・・・・・だから・・・
久流君が私なんかといるのに後悔してる、っていうのなら、頷ける・・・頷けてしまう。


久流君が私を“本当の裏庭”に連れて行ってくれたのには、もしかしたら理由なんてなかったのかもしれない。

ただの気まぐれ。


あの、久流君のことだもん。
気まぐれだっていうのが、1番妥当な考えかもしれない。


・・・・・・だとしたら・・・

変わり者同盟を結んだのも、“本当の裏庭”について教えてくれようとしたのも・・・
ただの気まぐれ、なのかな・・・・・・?


「・・・・・・っ・・・」

「比佐乃さん?どうかしましたか?」


思わずぎゅぅっと絵筆を握り締めた時、小野先生に声をかけられた。

ハッと、俯けていた顔を上げれば、怪訝そうに私を見つめる小野先生と視線が交わった。


「なんだか、苦しそうですよ?体の調子でも悪いんじゃないですか?
どこか、痛いところでもありますか?」

私が顔を上げた途端、心配そうに眉を八の字にさせる小野先生。


体の調子は、悪くないですよ。
ただ・・・・・・胸が、痛いだけで。


勿論声に出しはせずに、私はふるふると首を振った。


「そう?ならいいけれど・・・何かあったら言ってくださいね。」

にこりと優雅に微笑んだ後、小野先生はスッと私に近づき、耳元で囁いた。


「恋愛相談、とかも全然OKよ♪」

「ふぇっ!?」

思わずバッと目を見開き、叫んでしまった。



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