変わり者同盟
静かな美術室内に、私の叫び声は予想以上に響き、結果として部員全員の視線が私に集中。

菜子ちゃんにいたっては、かなり鋭い視線が私に・・・

ひえぇぇぇ・・・


恐れをなしている私とは反対に、小野先生はクスッと笑った。

「皆さん、すごい集中力ですね。感心感心!さ、先生と比佐乃さんのことは気にせず、続けてください。」


小野先生の言葉に皆は「はーい」と返事をし、また絵筆を動かし始めた。

さすが小野先生・・・と尊敬している間もなく、小野先生はくすくすと笑い始める。


「あの・・・?」

首を傾げれば、小野先生は楽しそうに私に謝る。


「ごめんなさいね、比佐乃さん。比佐乃さんがとても素直で可愛らしかったから・・・つい、ね。

比佐乃さん、好きな人のことで悩んでいるのね。」


全てを見透かすかのような澄んだ瞳が、私を見つめる。

私は顔に熱が集中するのが分かった。

わわわわわ・・・///ば、バレてるっ・・・


「ふふふ。本当、素直ねぇ。先生、素直な子、好きよ。
比佐乃さん、頑張ってね。応援するわ。

いつでも、相談していいからね?」


親しげに微笑む小野先生が、なんだか女神のように見えた。

というか、本当、女神だよ・・・。


穏やかで優雅な笑みに、優しい言葉。皆に慕われているのも、頷ける。


「あ、はい・・・えと・・・・・・ありがとうございます・・・。
あ、あの・・・その・・・部活動に集中してなくて、すみませんでした・・・。」

私はぺこりと頭を下げる。


いくら小野先生がどうってことないように振舞ってくれたって、部活中に余計な事を考えていた私が悪い。

心配までかけるなんて・・・・・・私、いい加減にしなよ・・・


「・・・・・・ぷっ、はははははっ!」



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