変わり者同盟
確か昨日は大河内さん、私の名前知らなかったんじゃ・・・。
しかも、私、名乗ってなかったよね?
「あたしは事務員だよ、比佐乃冬香。
あんたの名前調べるのなんて、簡単さ。」
どうってことのないように大河内さんは言い、久琉君に視線を戻す。
「で、本題に入りたいんだったな?久流和真。」
「はい。よろしくお願いします。」
久流君はやっぱり、変わらないポーカーフェイスで、さらりと応じる。
気負いも戸惑いも緊張もない。いつも通りの彼。
大河内さんはスッと目を細め、そのままの調子で久琉君に告げる。
「久琉和真、あんたは傷つくよ。」
「知ってます。ある程度は。」
やっぱりそのままの調子で、さらりと久流君は応じた。
大河内さんは、そんな久流君を鼻で笑う。
「ある程度、ねぇ・・・。ま、いーや。知ってることにしといてやるよ。
で?あんたは?」
突然大河内さんと視線が交わり、私の心臓が飛び跳ねた。
「知る勇気、あるわけ?」
ギロリとした瞳からは圧力がかかるけど、私はそんな圧力を振り払うようにして、コクリと頷いた。
「あると、思っています。」
――嘘かもしれない。
今でも頭の中では“気まぐれ説”がぐるぐる回っているし、傷つく久流君を見たときに私が支えられるのかも分からない。
それでも。
知りたい、と。
どうしてもどうしても知りたい、と。
思う気持ちは、嘘じゃないから・・・・・・。
「大河内さん。私は、昨日と今日で心変わりなんかしてません。
聞かせてください。“本当の裏庭”のこと。」
私は、睨むかのように真っ直ぐに、大河内さんを見つめた。
しかも、私、名乗ってなかったよね?
「あたしは事務員だよ、比佐乃冬香。
あんたの名前調べるのなんて、簡単さ。」
どうってことのないように大河内さんは言い、久琉君に視線を戻す。
「で、本題に入りたいんだったな?久流和真。」
「はい。よろしくお願いします。」
久流君はやっぱり、変わらないポーカーフェイスで、さらりと応じる。
気負いも戸惑いも緊張もない。いつも通りの彼。
大河内さんはスッと目を細め、そのままの調子で久琉君に告げる。
「久琉和真、あんたは傷つくよ。」
「知ってます。ある程度は。」
やっぱりそのままの調子で、さらりと久流君は応じた。
大河内さんは、そんな久流君を鼻で笑う。
「ある程度、ねぇ・・・。ま、いーや。知ってることにしといてやるよ。
で?あんたは?」
突然大河内さんと視線が交わり、私の心臓が飛び跳ねた。
「知る勇気、あるわけ?」
ギロリとした瞳からは圧力がかかるけど、私はそんな圧力を振り払うようにして、コクリと頷いた。
「あると、思っています。」
――嘘かもしれない。
今でも頭の中では“気まぐれ説”がぐるぐる回っているし、傷つく久流君を見たときに私が支えられるのかも分からない。
それでも。
知りたい、と。
どうしてもどうしても知りたい、と。
思う気持ちは、嘘じゃないから・・・・・・。
「大河内さん。私は、昨日と今日で心変わりなんかしてません。
聞かせてください。“本当の裏庭”のこと。」
私は、睨むかのように真っ直ぐに、大河内さんを見つめた。