変わり者同盟
「ま、そういうワケで“本当の裏庭”なんて、隠されてる場所があるんだよ。

分かったかい?」


大河内さんはそう話を結んだ。



私はというと、イマイチ頭がついていかない。


だって、だって、だって・・・なんで、その女の先生、その男子生徒を拒まなかったの?

なんで、その男子生徒、女の先生と関係なんて持ったの?


分からないよ―――。





「分かりました。ありがとうございます。」


久琉君はあっさりとそう言い、大河内さんに頭を下げる。
私も慌てて頭を下げた。


「あ、ありがとうございます・・・。」

呟いたすぐ後、きゅっと手首を掴まれた。


「へ?」

間抜けな声を出して、掴んだ主を見れば、ポーカーフェイスの久流君が視界に入った。


て、え!?久流君!?

衝撃で目を見開くも、彼はそんな私に気付きもせずにずんずんドアに向かって行った。

ガチャッと閉じていたドアを開け、大河内さんに一言。


「本当に、ありがとうございました。おかげで俺、知ることが出来ました。
それでは、また来ます。」

「いや、来るな。もう来るな。面倒はごめんだよ。」


そんな苛立たしげな声とともに、ドアが再び閉まる。

そして久流君はスタスタと大またでどこかへ歩き出した。
・・・私の手首を握ったまま。


・・・・・・・・・これ、どういう状況?

私は小走りで久流君の後を追いかけながら、首を傾げた。




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