変わり者同盟
心の中で呼びかけことしかできない自分が、情けない。


「・・・ハハ・・・・・・・ダッセェな、俺。
声かすれてるわ、震えてるわ。

比佐乃、幻滅したか?こんな、ダサくて情けない俺見て、幻滅したか?

俺を産んだ奴らって、自己中だったろ?
もう俺と、関わりたくないって、思ったか?

だったら――「思ってない!!!!!!」」


私は、自分でも驚くぐらいの大きな声で、叫ぶように久流君の声を遮っていた。


久流君が、驚いたように目を見張っている。

それでも私は、怯むことなく、勢いのまま、久流君を睨みつけた。


誤解されたくなかった。

そんな風な子だと思われていることが、哀しかった。

自分を嘲る久流君を、見ていられなかった。


様々な思いが私の心を満たし、私は我を忘れて、久流君を睨みながら叫ぶように、怒鳴るように言葉を紡ぐ。


「思ってないよ!!!私は久流君と関わりたくないなんて、思ってない!

今の久流君見て幻滅もしてないし、今の久流君がダサいとも思わない!

逆だよ!!!!!

私は、今でも久流君と関わりたいし、今の久流君は凄いと思う!カッコイイと思う!」


なぜだろう。

視界が歪む。ゆらゆら揺れる。
頬を、何か生温かいモノが伝ってる。

鼻がツンと痛い。

久流君の顔が、ぼやけてよく見えない。


「久流君――

泣き言、言っていいんだよ!!!
今の思い、ぶちまけていいんだよ!!!

泣いて、いいんだよっ!!!」


情けないほど、声が震える。


―――あぁ、もう、なんで・・・・・・



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