変わり者同盟
3人とも、怖い顔で私を睨んでいる。


「・・・・・・来て。」

短くすももちゃんが言って、さっと教室を出た。


嫌な予感しかしない中、立ちすくんでいる私の背中を、菜子ちゃんと美沙ちゃんがぐいぐい押す。

「ほら~行くよ冬香ー」

「すももがお呼びなんだから、行くわよ。」


ずるずると押されるがまま、私はお弁当を持ったまますももちゃんの後を追った。




――すももちゃんが来たのは、理科室近くの中央トイレ。

しんと静まり返った暗い空間の中、すももちゃんがくるっと振り返る。


「冬香。久流君にあたしのこと、話してくれてる?」

静かな声。
だけど、凄みも感じられる声。

いつもの、すももちゃんの声じゃない・・・。


「・・・・・・・・・ごめん、なさい・・・。私、話せて、ない・・・。」

ぽつりと呟いて、俯いた。


「・・・・・・・・・・・・そう・・・。でも、冬香最近、久流君と仲いいよね。」

静かな感情の読み取れない声が、私の耳に届く。


すももちゃん・・・・・・何を、思ってるの?

「それでも、話せないの?話したくないんじゃ、なくて?」

「・・・・・・・・・」


私は、答えられなかった。

だって、話したくないって・・・すももちゃんと久流君に仲良くなってほしくないって・・・思った。


「ハァー・・・」

数秒の沈黙の後、すももちゃんがため息を吐く。


「冬香なんかに任せたあたしが馬鹿だった。」

げんなりとした、冷たい口調だった。


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