変わり者同盟
「ごめんね、冬香。もう、いいよ。あたしのこと話さなくていい。
その代わり、もう、久流君と一緒にいないで。」

「・・・・・・えっ・・・」


思わず顔を上げた。

久流君と一緒にいないで?


すももちゃんは、私ににっこりと笑いかけた。

天使のような、可愛い可愛い笑顔。


「目障りなんだよね。ハッキリ言って邪魔。
だから、近づかないで?

あたし、もの凄く優しいこと言ってるんだよ?

だって、冬香、久流君のこと好きなんでしょう?」

「すももちゃん・・・なんで、私が久流君のこと好きなの知って・・・・・・」

「分かるもん。だって冬香、久流君とお昼一緒に食べるようになってから、すごく幸せそうだもん。

でも、冬香と久流君じゃ、つり合わないじゃない。不似合いじゃない。

そもそも、久流君が冬香みたいな子のこと、好きになると思う?

思わないでしょ?だから、これ以上辛くならないように、言ってあげてるんだよ?分からない?」


さらりと紡がれた言葉に、心臓がドクドクと音を立てた。


・・・・・・“気まぐれ説”が、脳裏をぐるぐる回る。

つり合わない。
不似合い。
久流君が、私なんかを好きにならない。


ぐっと、唇を噛み締めた。


知ってる。

そんなの、とっくのとうに自分で知ってる。


――でもっ・・・・・・


『比佐乃』

子犬のように笑う久流君が、頭の裏に浮かぶ。


一緒にいたい。

一緒に笑いたい。



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