風が伝える


私は無力なんだ

なにもしてあげられない

「最初は物を隠すぐらいの軽い

ものだったから耐えてたんだけど」

杏奈が自分の腕をギュッと握った

「どんどん、ひどくなって

胸元…切られちゃったんだ」

「きっ切られた!?」

「うん…Xって」



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