夏休み
到着と出会い
都会から、電車を乗り継ぎ二時間。
周りは田んぼと山だけの閑かな所で、駅から1日三本しか走らないローカルバスに一人の客が乗っていた。
客は若く、ではなく幼く小学生ぐらいの少年だろう、隣の席に大きなキャリーバックと、ショルダーバックを置いて、一面田んぼが拡がる風景を眺めていた。
「・・・っ」
少年は今まで窓を見ていたが、ふっと下に視線を落とした。
「・・・ん」
少年は今典型的な車酔いに苦しんでいたのだった。
先ほどから、バスは田んぼの真ん中の砂利道を走り、車内は大揺れだった。舗装された道しか走ったことがない少年は、その振動に完全に酔ってしまったのだった。
「やばい、マジで吐きそ」
少年が限界を感じた頃
「次はふうじん村、ふうじん村」
車内に運転手のやる気のないアナウンスが流れた。
少年は、助かったとボタンを押した。
「ねぇ、ねぇ、田舎行ってみない?」
「はぁ?」
少年が夕飯を食べようと箸を持った時に、母親が急に変な事を言い出した。
「何を急に」
「あのね、もうすぐ夏休みでしょ?でさ、私仕事で二週間くらい留守にしなくちゃいけないのよ、でね、その間私の実家に行ってもらおうかなぁって」
周りは田んぼと山だけの閑かな所で、駅から1日三本しか走らないローカルバスに一人の客が乗っていた。
客は若く、ではなく幼く小学生ぐらいの少年だろう、隣の席に大きなキャリーバックと、ショルダーバックを置いて、一面田んぼが拡がる風景を眺めていた。
「・・・っ」
少年は今まで窓を見ていたが、ふっと下に視線を落とした。
「・・・ん」
少年は今典型的な車酔いに苦しんでいたのだった。
先ほどから、バスは田んぼの真ん中の砂利道を走り、車内は大揺れだった。舗装された道しか走ったことがない少年は、その振動に完全に酔ってしまったのだった。
「やばい、マジで吐きそ」
少年が限界を感じた頃
「次はふうじん村、ふうじん村」
車内に運転手のやる気のないアナウンスが流れた。
少年は、助かったとボタンを押した。
「ねぇ、ねぇ、田舎行ってみない?」
「はぁ?」
少年が夕飯を食べようと箸を持った時に、母親が急に変な事を言い出した。
「何を急に」
「あのね、もうすぐ夏休みでしょ?でさ、私仕事で二週間くらい留守にしなくちゃいけないのよ、でね、その間私の実家に行ってもらおうかなぁって」