This is us -2
Side Satori
自動販売機で適当に飲み物を買って、病室に戻る足取りが重い。
このまま帰りたい。
やっぱり仕方がないとはいえ、自分の知らない結城くんに接する勇気がなくて。
傷付くのが怖かった。
佐々木くんが、何度か会っていけば思い出すよって励ましてくれて一緒に病院まで来てくれたけれど…
そう簡単にうまくいかないよね。
まだ信じられなくて、結城くんを目の前にすると泣きそうになってしまう。
病室のドアの前で入れず、壁に寄りかかっていた私は佐々木くんが大きな声で怒鳴ったのを聞いてしまった。
"俺の事は忘れたっていい"
あんなに怒った佐々木くんは初めてだ。
佐々木くんはどんな気持ちで言ったのか。
佐々木くんにあんなことを言わせてしまった自分が情けない。
涙が落ち葉のようにポロポロと散った。
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