This is us -2

Side Ren

佐々木から預かったアルバムを、ゆっくりと開いた。


そこには、佐々木や松川、俺と…


「小田切…」


楽しそうに笑っていた。


自分のこんな顔、見たことない。


けれど、その一枚一枚はまるで新しいものを見ているような感覚で。


そこに写る自分さえ、俺じゃないんじゃないかと思ってしまう。


ダメだ。見ていると晴れない靄に覆われて、胸の奥が気持ち悪くなる。


「れーんー？」


ガラッと突然ドアが開いて、なつめが顔を出した。


咄嗟にアルバムを布団の中に隠す。


「やっほー。元気？」

「あぁ、あと一週間で退院できる」

「そうなんだ、良かったじゃん！」


なつめは持ってきた花を花瓶にさして、椅子に座る。

「退院したら、どうすんの？」

「どうすんの？って…別に何も」


なつめは卒業後、短大に行き今は就活中だ。
今日も何かの帰りなのか、リクルートスーツを着ている。

「そうだ…これ」

なつめが鞄を漁って、何かを取り出した。


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