This is us -2
「おばさんから預かってたの…」
掌に乗せられたそれは、あちこちに傷が出来ていて。
「…これ…」
シルバーリング。
「事故に遭った時してたって、時計は壊れたから諦めろ…だとさ」
何か、このシルバーリングは俺に思い出させようとしている。
すごく、大切にしていたもの…?
「なつめ、サンキュ」
「ううん、今日はそれ渡しに来ただけだから。じゃあ、またね」
そう言って、なつめは部屋を後にした。
「…雨…」
脳裏に映し出された映像は、雨の日。
俺が事故に遭ったあの日は…雨?
雨の日に、何でバイクに乗っていたんだっけ…
シルバーリングをぎゅっと拳で握りしめる。
「……ちこく…」
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