This is us -2




そして、俺は無事に退院した。


完全復帰ではないが、だいぶ良くなって。

休学していた大学へも通えるようになった。


「蓮ちゃん変な所に真面目なんだから。本当にそれでいいの?」

「あぁ。まだ俺はそんな資格ねぇんだよ」

「んー…まぁ、そう言うなら仕方ないか。しかも留学って…」


佐々木は寂しそうにうなだれた。

あいつにはまだ会えない。
深く深く傷付けてしまった今、自分の中でしっかりけじめをつけたかった。

今日、俺は一年間の留学を決心して大学で手続きを終えてきたんだ。


「それまでに小田切さんに新しい人出来ちゃったらどうすんのさ」

「それは、あいつの人生なんだから。俺がどうのって話じゃない」

俺の勝手な都合に、彼女を振り回したくなかった。

「なーんか。大人なんだかワガママなんだか…」


そう言って唇をつき出す佐々木。


「俺がこんなこと言うのも変だけど、あいつの事気にかけてやって欲しい…」


「大丈夫。優花ちゃんもいるし、任せてよ」


佐々木は仕事の合間を縫って会いに来てくれた。警察官の制服のまま敬礼する姿は、様になっている。


佐々木がいてくれて、良かった…。


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