This is us -2
Side Kadokura
初めは、ただ嘘や笑い方がなんて下手な子なんだろうって思ってた…ーーー
「あー…ここ、また間違えてる。やり直しだ」
「はい、すみません」
パソコンに向かう俺は、よく横目で部長にダメ出しをされてしょんぼりする小田切を見る。
データはひとつのミスも許されない。
新卒とは言え、そろそろ一人前に仕事が出来るようになって欲しいものだと部長が言っていた。
小田切は真面目で面白い奴。芯が通った、今時の子にしては珍しいタイプだ。
「そこはさ…」
隣のデスクだからか、ついつい彼女に世話を焼いてしまう。
一生懸命やっているのに結果がついてこない、きっとそう思っているのだろう。
小田切は泣きそうになりながら、メモを取ってパソコンを食い入るように見ている。
応援してあげたい、ただ単にそう思って色々教えているうちに会話も増えていった。
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