This is us -2
私は自分の部屋に戻り、暫く携帯とにらめっこしていた。
画面に映し出された彼の番号。
電話なんて、いつもなら何の躊躇いもなくできたのに。
いつまでもこうしていても仕方ない。
少し強く、電話のマークをタップした。
呼び出し音が、胸の鼓動を速くしていく。
出ないで…出て…出ないで…出て…やっぱり、
「…もしもし」
いつもと変わらない低い声。久しぶりにこの耳で聞いた。
安心感からか、喧嘩していた自分がひどくバカバカしく感じた。
「…さとり?」
「あ、あの…ごめん。謝りたくて…」
私はこんなにも彼の事が好きなんだと、改めて気付かされる。
「いや、俺も謝ろうと思ってた。ごめん、大切な時に」
涙が一気に込み上げてきて、唇をぎゅっと噛みしめた。
本当、バカみたい。
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