黒猫屋敷
彼女の母親は
愛情を貰わずに育ったゆえ
彼女の育て方に困惑していった。
しだいに病んで行き
ノイローゼにかかった彼女の
母親は決して娘に手を上げることは
なかったものの
娘を道連れに死を選んだ。
ツグミに何も言わず
だがツグミは
ハズキが心中をはかるまえに
毒殺した。
『罪のない子供は
おいていけ。私が育てる。』
そうハズキの死に顔をみて
言ったのを
幼かった彼女は今でも
覚えていた。
だが彼女は
ツグミを恨んでいなかった。
何不自由なく暮らし
そして自分の母親を苦しみから
解放してくれた。
そう思っていた。