黒猫屋敷

黒猫はわりとまともな
神経をしている。



この女は大丈夫か?
仮にも産んだ親が
殺されたんだぞ。




最初の頃の黒猫は
もうなに一つない感情だったのに
歳をとるたびに考えが爺さんくさくなるのを自分でも理解しているようだ。



『ナツ、ちょっとあいつらとこ
行ってくるわ。』


彼女は自分の名を言いながら


右手に大鎌を左手には
謎の薬物を手に持ち


モニター室を出て行った。



黒猫は
しっぽを激しくふっている。


これから地獄絵図が
描かれるからだ。


多分明日の朝刊には
男性5人行方不明


とでているだろう。
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