恋の片道切符
放課後実践
放課後になり、私は電車に揺られていた。
隣にはもちろん、麻弥もいる。
「紗理奈の好きな人ってどんな人だろ」
なんて麻弥は浮かれている。
一方で私はただ俯き、制服のスカートの裾をギュッと握りしめていた。
「紗理奈、緊張しすぎ」
「緊張なんてしてないよ」
「またまたあ。てか、紗理奈の好きな人ってどんな人?」
先程、浮かれて独り言を言っていた同じ言葉を麻弥は口にした。
「え、好きとかはわからないよ。ただ再会しただけだし」
「そっか。そうだよね。まだわからないよね。ごめんね」
「うん」
ここで会話が途切れた。
丁度いいタイミングで車内アナウンスが流れる。
「間もなく終点-」