恋の片道切符

作戦会議


今、私達は教室の隅にいる。

何たって作戦会議をしているのだ。

明日、例の駅員さんがいる。

何なら明日のうちに仲良くなってしまった方がいいんじゃないかと、麻弥の提案で今に至る。

「えー、どうしたらいいの?」

私は困ったように眉を寄せる。

「手紙を渡しなさいよ」

「無理。渡せない」

そうだ、無理に決まっている。

いきなり手紙を渡してまたあの日のように目を見開かれたら逃げ出したくなる。

そもそも、そんな勇気は私にはない。

「それなら、話しかけよう」

「え、」

「え、じゃないよ。話しかけなきゃ何も始まらないよ?何せ手紙を渡せないと言うんだから」

「…」

「いつまでも待ってたって仕方ないよ?」

「…」

「大丈夫。私が付いてるから」

俯いている私の肩をポンポンと軽く叩くと、「ね」と麻弥は笑った。

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