恋の片道切符
焦れったい感情
「ねえ、あの後どうなったの?仲良くなれた?」
ジリジリと寄って来るように聞く麻弥。
麻弥は昨日、影から亘しを見守っていた。
「ん、仲良くなれたよ」
そう言って微笑む私。
「いいねえ。メアドとか聞けた?」
麻弥の言葉にブッと吹き出す私。
「やだー、紗理奈、汚い」
「だって麻弥が変なこと聞くから!」
メアドなんて聞ける訳がない。
ましてや再会して初めて言葉を交わしたのに。
「変なこと聞いてないよ」
あはは、と笑う彼女。
「メアドなんて聞けないよ」
ハア、と溜息を吐く。