恋の片道切符
好きかも、なんて
それから私は家に帰り、机で突っ伏していた。
眠い、なんてことを考えながら。
うとうとと夢のなかに入りかけた時、携帯のバイブが鳴った。
おぼつかない手で携帯を取り、ディスプレイを見る。
ディスプレイには「麻弥」と表示されている。
「はい」
通話ボタンを押し、眠たそうな声を放つ。
「もしもし、紗理奈?もしかして寝てた?」
「うん。少しうとうとしてたとこ。何?どうしたの?」
「ああ、今日一緒に帰れなくてごめんねって」
「ううん。平気」
「ありがとう。放課後、篠崎さんに会った?」
メインはそれか。
思わず苦笑いを漏らす。