恋の片道切符

「うん。そうする」

私は頷き、微笑み返す。

「そういえば紗理奈の生徒手帳、篠崎さんの写真が挟んであったよね」

いたずらっぽく麻弥が笑う。

私は顔を真っ赤にして「何で知ってるの!?」と席を立った。

ガタン、と音を立てて椅子が後ろに倒れた。

クラスメイトの視線が私達に向けられる。

私は更に顔が真っ赤になり、麻弥はまだ余裕な表情を見せている。

「恥ずかしくないの?」

麻弥に聞けば「別に」と返事が返ってくる。

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