恋の扉を開けて
俺はルリルの反応に困惑した。

コスプレの常習者と話しているようだった。

彼女にコスチュームを着せたのは俺の間違いだったかと自問した。

ネットの掲示板を眺めた。

これを見る限りルリルへの反応は上出来といってよかった。

明日は店がごった返すだろうと考えるのも容易だった。

彼女の中で何かが燃え始めたのか。

コスチュームを身に付けて余りにも普段の自分とかけ離れた別人の自分の姿を見て、眠っていた何かが目覚めてしまったのだろうか。

ルリル以外のメイドは皆これが仕事だと割り切れる前に楽しんでいた。

彼女は違うのか。

本当の自分を見失うかだと?

おかしなことを言う女だ。

塚原るりる、本名をネームに使うとは。

俺が彼女の扱いに頭を悩ませることになろうとは思えないが。

平日はごく普通のOLだ。

問題ないだろう。

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