恋の扉を開けて
多忙な一日が終わった。

「皆、ご苦労だった。今日はいつもの倍額の手当てを出そう。」

「キャー!お疲れさまでした!」

「ルリル、着替えたらオフィスに来てくれ。」

「はい、専務。」

ロッカールームで皆がはしゃいでいた。

「ルリル、あなたのフォロ-は私達が頑張るわ。」

「今日のルリル、オーラが漂っていたの。私には見えたわ。」

「私も横にいて鳥肌が立ったの。私まで吸い込まれそうになった。ルリルが持っている独特の世界に。」

「ルリル、来週末も絶対出てね。私達あなたを待っているわ。」

他のメイド達は疲れも見せず皆帰っていった。

私は専務のオフィスへ行った。

「どうした?疲れた?」

「はい、私と違い彼女達は疲れもなく、ここでの仕事を楽しんでいるように見えました。」

「その通りだ。君は違うのか?」

「はい。」

「どう違う?」

「明日からいつもの会社へいつもの自分に戻って行くのがつらいんです。あのコスチュームのままでいたいんです。」

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