恋の扉を開けて
「ルリルの様子はどうだ?」

「はい、彼女は独特のキャラだと思います。」

「どこが?他のメイドとどう違う?」

「私達はコスチュームを身につけてキャラを演じますが、ルリルはそのものです。まるで本物のルリルのようで彼女はお客様をルリルの世界へ惹きつけて取り込むんです。お客様は皆満足しています。ルリルと接した人達は必ずまた彼女を求めると思います。」

「そうか、そんなに強烈でインパクトあるキャラか。」

「そうです。ルリルを見ていると彼女の普段の顔が想像できないくらいです。彼女は普通のOLなんでしょ?専務。」

「サラ、ありがとう、下がっていい。」

「はい、失礼します。」

俺はサラの言葉に納得した。

やはりルリルは他のメイドと違う。

普通じゃないと確認できた。

このまま週末ずっと店へ出し続けて何もトラブルが起きなければそれでいいのだが。

肝心のルリルを元に戻す作業が難題だった。

先週はこのオフィスでいきなりだったが毎回オフィスのソファではまずい。

他のメイドが閉店後に戻ってくることはないが

万一見られでもしたらそれこそ店が潰れるやもしれないと思うとゾッとした。

かと言ってルリルだけ家へ送り届けるわけにもいかないし特別扱いできない。

別行動で外で待ち合わせるしかないだろう。

俺も馬鹿だと思った。

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